精神科医の“のほほん”ノート
診療に関係のあること、ないこと…ちょっと肩の力を抜いて“のほほん”と書いてます。
2004年
09月02日
(木曜日)
催眠ってすごくないですか?
[No.1] 20:00

David Spiegelという精神科医がいる。集団精神療法で乳がん患者さんのQOL(生活の質、人生の質)を改善したばかりでなく生存期間まで長くすることができた、という報告をしたひと。ある学会で、彼が集団療法をしているシーンをおさめたビデオを観たことがある。英語で話していたし、細かい対話の内容まではわからなかったが、円型に並べたイスに座った患者さんたちとSpiegelはとても穏やかな空気の中で過ごしているように見えた。
このビデオをそばで観ていた先輩が、「いくら精神療法で生存期間が延びる、って結果が出たとしても、それはSpiegelがスゴイからなんじゃないの? 誰にでもはできないことだよ、きっと」と言っていたのが微かに記憶に残っている。
ところで、そのビデオをチラッとでも観たことなんて、この数年すっかり忘れていたのだが、ふとしたことで思いだしてしまった。
それは最近、催眠の勉強をする機会があったから。
いままで催眠なんて使ったことはないし、使おうと思ったこともなかった。だいたい、催眠って5円玉目の前にぶらさげて「あなたは眠くなーる…」みたいなことだと思ってて、正直ちょっとイカガワシイというイメージで見ていた。
でも、目の前で催眠、トランスに入るひとを見たり、自分も入りかけたり(入ったり)してみたら、なんかちょっとすごいんじゃないの?って思うようになって、俄然興味がわいてしまった。
それで、なんかこういう感じ、どこかで見たなー、…と記憶の奥底から引っ張り出してきたのがSpiegelのビデオのシーンだったのだ。
実際、彼が報告した論文を捜してみたら、ちゃんと「痛みに対する自己催眠」を使った、って書いてあるし。
当分、催眠はマイブームになりそうな予感がする。Spiegelみたいに、誰かの役に立つように使えるようになりたいものだ。


コメント
●
データベース
ペイン・コントロールはHilgardさんも研究されていますね。私は催眠不感症なので、自己催眠では蚊に刺されのかゆみを消すのが関の山です。
●コメントありがとうございます
本当に催眠に関しては初心者なので、知らないことばかりで…ヨックタイさんのBlogはめちゃくちゃ頼りにさせていただいています。
私はとても蚊に刺されやすいタチなので、自分でかゆみが消せたらすごく便利だろうなぁ、って思います。ヨックタイさんはどうやってかゆみを消されるのでしょうか。かゆみを移動させたりもされるんですか? コツがあったらぜひぜひ教えてくださいっ!
●
私のブログにはたまにいい加減なことが書いてありますよ(笑)見つけたらつっこんでくださいね。
蚊に刺されのかゆみは、自律訓練でトランスした後に、「○○(さされたところ)の感覚がじわじわと麻痺する」と自己暗示をかけますが、強烈な言葉なので、トランスしやすい人には勧めません。「痒くない」という否定形は、今痒みがあることが前提となるので、使わないようにしています。かゆみの移動は…移動先が痒いですよね(笑)コツは、自分にマッチした暗示を見つけることだと思います。
書き忘れてましたが、このデータベースは便利ですね。いろいろ検索しちゃいました。
●ほほぉ…!
そうですよね、かゆみを動かしても全然メリットないですね(笑)。
>「痒くない」という否定形は、今痒みがあることが前提となるので、使わない…
おぉぉ、教えていただかなかったら「かゆくない、かゆくない…」と、まさにかゆいこと前提の暗示を連呼するところでした。「じわじわと麻痺」、今度蚊に刺されたら絶対やってみます。
データベースってPubMedのことですね。私もとてもお世話になってます。Psychoinfoもときどき利用してます。こっちにしか出てない論文も多いですし…。
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