精神科医の“のほほん”ノート

診療に関係のあること、ないこと…ちょっと肩の力を抜いて“のほほん”と書いてます。

2006年

01月27日

(金曜日)

同期とわいわい。

ちょっと前のことだけど、同期入局の仲間たちと集まって新年会をやった。

同時期に精神科に入局して、一緒に研修して…今はそれぞれの職場で臨床をしたり研究をしたり、とみんなバラバラに過ごしているけど、集まればそこには入局当時と何も変わらないテンションができあがる。まるでつい昨日までみんなで一緒に過ごしていたかのような雰囲気で話がはずんでしまうのが不思議。

職場の質が違うから、それぞれが診療にあたっている患者さんの層もだいぶん違う。でも、最近みんなが関心を持っているのはやっぱり発達障害みたい。

おとなの精神科臨床をしていて、精神科診断がつくようなしんどい症状を持って受診される患者さんとよくよくお話ししてみると、もしかして広汎性発達障害的な面をお持ちなのかな?と思わせるような行動やことばづかいの特徴がみられたり、ということがあったりする。

もちろん現在の受診動機になっているのは、たとえば抑うつ気分とか強迫症状とかであって、広汎性発達障害的なこととは別の症状。しかも患者さんはある程度の年齢(成人の方がほとんど…)に達しておられて、親御さんと一緒に受診されるわけでもない。唐突に生育歴を詳しくお聞きするわけにもいかないし、でも広汎性発達障害が強く疑われる…。

こういうとき、告知をするのかしないのか、という話になった。



私のごくごく個人的な意見だけど、告知をすることが患者さんにとってメリットがあるならする、という原則で臨床をしているような気がする。

患者さんやご家族に診断を伝えて、かえってガッカリさせてしまうようなことだけは避けたい。だけどしんどくなってしまっている理由がわからないままになっているせいで、患者さん自身の怠けや甘えのせいだと周囲から責められたり、患者さんにいちばん身近なひとが他の誰かから不当に責められたりして苦しむことになるのも避けたい。

そして、告知といっても広汎性発達障害という名前をポンと伝えるというよりは、「ひとつのことにこだわって無理に頑張りすぎてしまうところがある」とか「ことばで指示をされるとうまくできないこともあるけど、メモに箇条書きにして書いて渡せばきちんと指示をこなしやすいみたい」みたいに、PDDの特徴を同居家族や職場の上司などキーパーソンにも具体的に(そして少し肯定的ニュアンスも持たせて)お伝えすることが多いかもしれない。周囲からのPDDの特徴に配慮した支援があれば、今2次的に出ている精神症状も早く軽快しやすくなるだろうし、今後の症状再発も抑止しやすいだろうし。

…お酒もほどよくまわりながら、薄暗いバーでこんなことを話したような気がする。
PDDの特徴を持つ(おとなの)患者さんに対して自分たちに何ができるのか、何をすべきなのか、と真剣に考える精神科医が身の回りに増えていることがとても嬉しかった。まだまだ少数なのかもしれないけど、こういうお酒の席もPDD支援を行える専門家のボトムアップにつながっていくのだとしたらそれが何よりかも…ってちょっと大袈裟かな(^-^;)…

ともあれ、またみんなで楽しく飲みたいなぁ。

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2006/01/27(金) 03:13 ★ さいころじすと日記

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