精神科医の“のほほん”ノート
診療に関係のあること、ないこと…ちょっと肩の力を抜いて“のほほん”と書いてます。
2006年
03月19日
(日曜日)
『どう関わる?思春期・青年期のアスペルガー障害―「生きにくさ」の理解と援助のために』
[No.122] 23:12

『どう関わる?思春期・青年期のアスペルガー障害―「生きにくさ」の理解と援助のために』という本が昨年12月に発行されていたのだけど、ようやく手に取ることができ、読み始めたところ。
この本、京都ひきこもりと不登校の家族会『ノンラベル』という団体が出版したもの。

こどもが“ひきこもり”とか“不登校”という状態になってしまったとき、今のようにアスペルガー症候群とか広汎性発達障害といった概念がまだそれほど広まっていないために「ただひきこもっている」「ただ学校に行けない」とその理由もわからず悩んできたご家族たちの経験や苦労がいい意味で集約されている、という印象を受けながら読んでいる。
理由がわからないよりはっきりと診断がついたほうが腑に落ちて安心できるところもあるだろうし、かといって診断がただのレッテル貼りになってしまってはかえって害になってしまいかねない。
そのあたりのしんどさ・難しさはやっぱり実体験をとおして語られると重みがあるし、リアルに伝わってくる。
これから診断されるひと、診断されて間もないひとたちとそのご家族にはぜひこの本を一度読んでほしいな。私も今後診断する機会に患者さんやご家族へオススメする本のなかにこの1冊を必ず加えたいと思う。
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コメント
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広汎性発達障害については、診断だけポンと伝えられて本人もご家族も途方に暮れるだけ、という形は絶対に避けたいと思っているので、必要なときに提供できるように有益な情報や最新の知見をまずは自分自身がしっかりつかんでおきたいという気持ちがあります。
自治体によっては家族会や自助グループなどの活動も盛んなのでしょうけど、まだまだ地域差が大きいですよね。本当に課題の大きい領域です。
まずは興味を持つひとたちが増えてくれることが地味なようでいちばん大切なことだと私は思っています。
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半年後、もう極限状態で息子から逃げるしかないと思い、どうしてこれが病気じゃないのか聴きに言ったら、高ASだと言われました。「本人がショックを受けると思って、そう言ったかもしれない」との事。
エ〜〜!予約性なのに90分待って3分診療。途方にくれて2ケ月たちました。今、息子は厚生労働省のニート対策である「若者自立塾」の3ケ月合宿にいってます。
素敵なデザインのブログですね。
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お子さんのこと、大変な苦労をしてこられたのでしょうね。お察しします。
「ひきこもり専門の精神科」というのもすごいですね。なかなか病院を初診したときにはおうちでのこどもさんの様子が医師に伝わらなくてもどかしいこともあるだろうと思います。病院では家と同じようには暴れないことが多いですから…。
物を壊したり家族へ暴力を振るったりする場合には、近所のひとや親戚、あるいは警察を呼ぶところまで算段しておかれたほうが絶対にイイと個人的には思っています。外部のひとの助けを呼ぶことを本人に伝えるだけで暴力の抑止力になることもありますし、まず外部の助けを借りて家族の安全を確保したうえで本人を医療ベースにつなげることだってできますから。往診してくれる精神科へ援助を求めるのもよいかもしれませんが、最近そういうところは少なくなった気がします。
それにしても、これだけの状況のなか、よくぞこどもさんを「若者自立塾」へ行かせることができましたね! 3ヵ月の合宿機関だけですべてが好転するわけではないとしても、大きな変化を起こすひとつのきっかけになればいいなぁ、と思います。まだまだ大変な日々が続くことと思いますが、希望を胸に少しずつ前進していかれることをお祈りしています!
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