精神科医の“のほほん”ノート

診療に関係のあること、ないこと…ちょっと肩の力を抜いて“のほほん”と書いてます。

2006年

04月09日

(日曜日)

生育歴のききかたに…気をつけろっ!

(ちょっぴり長井秀和風なタイトル…)

先日ある親御さんとお話をしていたときのこと。

当然のことではあるけれど、こどもさんの症状に対してとても不安に思っておられるご様子。


「もう少し私たちがちゃんと育てていれば…」
「今から私たちがどうしてやればいいのかわからなくて…」


ご心配なのはもちろんわかるけれど、それにしても親御さんがひどく自分たちを責めておられるような印象。
これまでの親御さんのご苦労をねぎらいながらお話をお聞きしていたら、そのあたりの事情が少しずつ明らかに…。

「今まで病院に掛かるたびに、いつもこどもが小さい頃の話とかを聞かれて…」

…うんうん、そりゃこどもさんの治療をする機関ならだいたい生育歴をお聞きするでしょうねぇ。でも…、



『望んでいたこどもでしたか』とか『他のきょうだいと比べてかわいいと思えましたか』とか言われると、あー、この子には十分に愛情を注いでやれてなかったかもしれないと…」

・・・・・・。

こどもさんの生育歴・発達歴を知るには、こども本人に聞くわけにはいかないからどうしても親御さんから教えていただくことが多くなるのは当然。だけど、不用意に親御さんを傷つけるような質問は絶対に避けなくてはいけない。こどもさんの発達について詳しく情報を得たいという思いがあったとしても、自分の好奇心を満たす自己満足のための質問を続けてはいけないし、診療上どうしても聞かなくてはならないことであれば親御さんに不快な思いをさせないよう細心の注意を払った聞き方をしなくてはいけない。

自責感や罪悪感を不必要に感じすぎていたら本来親御さんが発揮できるはずのパワーも出てこなくなってしまう。結果としてそれはこどもさんにとって大きなマイナスになるはずだから…。

…そんな当たり前のことを改めて思い出さされた。
自分自身も気を引き締めなくてはいけない。

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