精神科医の“のほほん”ノート
診療に関係のあること、ないこと…ちょっと肩の力を抜いて“のほほん”と書いてます。
2006年
04月21日
(金曜日)
ミトコンドリアと躁うつ病
[No.142] 23:03

躁うつ病(双極性障害)にミトコンドリア機能障害が関連している、という研究報告が“Molecular Psychiatry”誌に掲載されるとのこと。

研究チームは、躁うつ病患者ではミトコンドリア機能障害が見られることとミトコンドリア病には躁うつ病を伴うことがあることに着目し、異常なミトコンドリアDNAを合成する酵素の遺伝子を導入し、脳にミトコンドリア機能障害を誘発するモデルマウスを作製した。
このマウスの行動を詳細に解析したところ、夜行性のはずのマウスが暗くなる前や明るくなってからも活動したり(躁うつ病患者の不眠に類似)、普通のマウスでは見られないような性周期に伴った顕著な行動量の変化がみられたり(躁うつ病患者の気分変動に類似)するなどいくつかの異常行動を示すことが明らかになったという。
…この研究のチームリーダーが躁うつ病とミトコンドリアの関連を唱え始めたのはなんと1994年。
何年も前にこの仮説を直接この先生から伺ったときは、躁うつ病とミトコンドリアの取り合わせが意外すぎて正直「そんな突拍子もない話…」と信じられずにいた。
ずっと地道に研究を続けてこられて、とうとう仮説どおりのモデルマウスまで作成されたなんて、改めて尊敬してしまう。
これだけの熱意をずっと持ち続けて結果を出すことが果たして自分にもできるのだろうか…。
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